「私は、今ここに福沢祐巳を妹にすることを宣言いたします」

(え?)

 薔薇さまたちを支えるつぼみ同士であり、一学年上の小笠原祥子の突然の宣言に少女は耳を疑ってしまう。だが確かに祥子は山百合会の幹部一同の前で少女のクラスメートを妹にすると宣言したのだ。

(祥子さまが祐巳さんを妹に……)

 それは少女にとって二つの意味をもたらす。一つは今まで特別に親しくなかった福沢祐巳と言う少女が山百合会に入る事で、少女が祐巳とお近付きになる機会が生まれるという事……もう一つは他の山百合会幹部が祐巳と交流を持つことで、少女にとって祐巳がさらに遠い存在になるのではないかと言う不安である。

「とにかく落ち着いて話しをしようじゃないか」

 突然の出来事に少女を始めとする多くの者がその場で固まっていたが、少女の姉であり白薔薇さまこと佐藤聖の一言で一同は思い出したように会議室兼サロンへ戻っていく。やはりいつまでも廊下で言い合ってても仕方ないし、祥子の急な姉妹宣言もあってかこの話しが直ぐとも思えないからだ。

「ほら、志摩子もぼーっとしてないで入りなよ」
「あ、はい。お姉さま」

 いつまでも思案に暮れていた少女こと、藤堂志摩子は聖の呼びかけに応じる形で会議室に入っていく。その心中に期待と不安を抱いたまま…………






 私の太陽






「祐巳のことはずっと面倒見ます。私が教育して、立派な紅薔薇にしてみます。だったら問題なのでしょう?」

 先ほどは突然の姉妹宣言に驚いていた薔薇さまたちだが、それが祥子の思い付きの行動に過ぎないことを見抜いたようである。当然その事について指摘するが祥子は自身の発言を撤回するどころかますます意固地になっている。

(祥子様と言えどお姉さま方相手では分が悪いですね)

 一方志摩子は先ほどから一切発言をしていない。それは黄薔薇のつぼみである支倉令や、その妹である島津由乃も同様である。もっともこれは薔薇さまたち相手につぼみが発言してはいけないからと言うわけではない。三人は小笠原祥子と言う人物が世間のイメージとは裏腹に、わがまま且つ負けず嫌いのヒステリー持ちだという事をよく認識している。だからこそ今回もいつもの事と思い、一々口出ししないだけに過ぎないのだ。だが今回ばかりは少し様子が違うようである。

(このままだと祥子さまがお姉さま方に言い包められるか、逆上してまた飛び出すかのどちらか……いずれにしろ祐巳さんの件は有耶無耶のまま終わってしまう)

 そうなれば志摩子と祐巳の関係はまたいつもの日常に戻るだろう。ただのクラスメイト同士、だが特別に親しくも無い関係に。

(でも私はそれを望んでいない……せっかく祐巳さんと親しくなれる機会を逃したくないと思っている)

「本当はさっきまで、祐巳さんの名前すら知らなかったんじゃないの?」
「それは……」

 色々考えているうちに話しは既に収束に向っていた。志摩子にとって望まざる方へ……

(その後の心配は後でしよう。今は何としてでも祐巳さんを山百合会に引き止めないと……)

「もう、いいんじゃない?片意地はるの、やめなさい」
「待ってください」

 これまでの沈黙を破り、志摩子は祥子のフォローを始める。

「祥子さまと祐巳さんは、今さっき初めて会ったのではないと思うのですが」
「何故そう思うの?」
「だって祐巳さんは、祥子様を訪ねてここにいらしたんですもの」

 確かに薔薇の館の前で祐巳と蔦子は祥子に用があると言った。そして特に部活も委員会もしていない祐巳が祥子に用があるとしたら、それは業務的なものではなく個人的な話しに違いない。そう考えれば志摩子は二人が全く面識がないとは思えなかったのだ。

「証拠もあります」

 そして矛先が一旦逸れた上、蔦子がそれに追従する形で証拠まで出してくれたので薔薇さまたちは考えを見直してくれたようだ。

「いいわ、認めましょう」

 蔦子の証拠写真は良い意味で予想外だったがここまでの展開は概ね予想通り、問題はこの後の薔薇さまたちの発言に対する祥子の反応である。本来祥子が突然の姉妹宣言したのはシンデレラの役を降りるためである。だからこそ祥子は先ほど妹を連れて来ると息巻いていたのだ。しかし、

「だからと言ってシンデレラの降板まで認めたわけじゃないのよ」

 当然こうなる訳である。蓉子が先ほど言っていたとされる『妹一人作れない人間に発言権はない』はあくまで言葉の綾に過ぎないのだ。もしかしたら祥子をからかっただけかもしれない、いずれにしろ『妹』が居れば祥子の主張が通るわけではないのだ。

「約束は!?」

 当然祥子は反論するがさすがは紅薔薇さま、祥子を完膚なきまでに返り討ちにする。そしてここからが志摩子にとって一番の問題である。

「今でもあなたは、祐巳を妹と思っているのかしら?」

 悪く言えばシンデレラの降板の為の取引材料として言い出した姉妹宣言……それさえも通用しなかった今、逆上した祥子が祐巳を妹と主張し続けるのか見限るかは蓋を開けてみないと解らないのだ。そしてもし後者ならこれまでの話しはなかったことになる。しかも最悪紅薔薇姉妹の関係にも大きな亀裂を残す事になる。

(でももし前者なら望みは繋がる)

「もちろん、祐巳は私の妹ですわ。お姉さま、私を侮辱なさる気?それではまるで、利用するためだけに祐巳を妹にしたみたいじゃないですか」

 志摩子の祈りが届いたのか、祥子は姉妹宣言を撤回しなかった。これでひとまず一安心である。

「結構。ここで祐巳さんを捨てるようなら、私もあなたと姉妹の縁を切らなければならないところだったわ」

 蓉子もその言葉に安心したようである。他の薔薇さま方もホッとしたのか、今度はロザリオを渡していないならこの場であげたらどうかと軽口をたたき始める。

(たしか祐巳さんは祥子様の事を慕っていたはず……これではどちらがシンデレラか分かったものじゃないですね)

 だが一同が盛り上がる中、祐巳はただオロオロするばかり。最初は憧れの祥子の妹になれることへの期待からだと思ったが、どうもそうではないようである。

(まさか……)

 そしてその事に気付いているのはおそらく自分だけ、そう思った瞬間志摩子は既に行動を起こしていた。

「お待ちになって」

 何か言いたいのによう言えないで黙っている、そんな気持ちを察してか、志摩子は再び待ったをかける。

「祥子さまも他のお姉さま方も、皆さま大切なことをお忘れになっていませんか?」
「大切なこと、って?」

 そこまで言って志摩子の中で一つだけ確信できた事がある。理由は不明だが祐巳が祥子からの誘いを断ろうとしている事を。

「祐巳さんのお気持ちです」
「祐巳さんのお気持ち、ですって?」

 当然薔薇さま方も祐巳が祥子を慕っている事は察しているし、そんな祐巳が祥子からの誘いを断るはずがないと思っている。

「この子が、ロザリオを受け取らないとでも思って?」
「そうは申しません。けれど一応、お気持ちを聞くのが筋というものですわ」

 これで儀式がひとまず中断となり、祐巳にも自身の気持ちを言う余裕は持てたはず。だが本当にこれで良かったのだろうかと反芻する。志摩子にとって見ればこのまま祐巳が祥子の妹になってくれた方が都合がいいし、その為に祥子のフォローをしたのだ。だが今の発言はこれまでの経緯を無駄にしてしまう事になってしまう。

(ですが仕方ないですよね。私の都合で祐巳さんの気持ちを無視するわけにはいきませんから……)

「申し訳ありません。私、やっぱり祥子さまの妹にはなれません」

 良くも悪くも予想通りの展開だった。だがそれはあくまで志摩子の中では、である。面白がる聖はともかく、他の人達は予想外の答えに呆然としている。

「どうして、って聞く権利くらい私にはあるわよね?」
「確かに私、祥子さまのファンでしたけれど」

 奇しくも以前にも姉妹宣言を断られた過去を持つ祥子は比較的早く回復したのか、真っ先にその理由を尋ねてくる。だが祐巳の方もうまく言葉に出来ず、この場にいる誰もが本当の理由を察する事は出来なかった。

「あの。花寺学院の方にお願いして、今回は遠慮していただくわけにはいかないのでしょうか?」

 だからと言って祥子のことを見捨てれるか?と言えばそうではないようで、今度は意外にも薔薇さまたち相手に異論を申し立てているのだ。そしてその異論はキチンと筋が通っており、薔薇さまたちも考えを見直してくれそうな雰囲気である。

(祐巳さん、あなた本当に優しい方なんですね。でもそんな事を言ってたら今度は祐巳さんがお姉さま方たちに、特に私のお姉さまが……)

「なら賭けをしましょうか。祥子が学園祭前日までに祐巳さんを妹にできるか否か、勿論祥子は『できる』の方に賭けてもらうわ」
「えっ!?」

(やっぱり……)

 確かに薔薇さまたちは祐巳の説得に応じ、祥子に妥協案を持ち出してくれた。だが志摩子の予想通り、祐巳は山百合会のいざこざに巻き込まれる形になった。

「そうそう、一つ言っておくけど祥子の味方をしようとして、その気もないのにロザリオを受け取ったりしないでね。あなたがOKしてシンデレラの役に穴が開いたら、その場所にあなたが入るんですからね」

 無論この状況を面白がるためと言うのも理由の一つ、いや、かなりのウェイトを占めているかもしれない。いずれにしろ賭けは始まったのだ。祥子が学園祭前日までに祐巳を落とすことができればシンデレラの降板とその穴埋めに祐巳のシンデレラが、失敗すれば祥子は紅薔薇のつぼみとして責任持ってシンデレラをやることが……

「では今日の会議はこの辺で終わりましょうか。祥子も今後の計画を立てていかないといけないだろうしね」
「お姉さま、今度こそ約束を果たしてもらいますからね」
「ええ、勿論よ。ただしその言葉はあなたにも言えることを忘れないでよ」

 紅薔薇姉妹の間に火花を跳び散らしながら今日の会議は幕を閉じ、一同はゾロゾロと薔薇の館を後にする。若干数名これからの展開に不安や期待を抱く人達のギャップが激しいがそこは見ない事にする。

「お姉さま、先ほどはありがとうございました」
「はて、何のことかな?」
「二人ともうまくいくといいですね」

 志摩子が何を言っているのかが理解できない聖ではない。無論聖が惚けていることを承知している志摩子はそのまま話しを続けていく。

「さて、どうなることやら。でも脈がないわけじゃないのは確かだね。祐巳ちゃんは勿論だけど祥子の方も、ね。でも本当に祐巳ちゃんのこと好きなんだね」
「いつからお気付きになられてたんですか?」
「祐巳が祥子と知り合いなのかどうなのか?って所ぐらいからかな。まぁあの時はまだ祐巳ちゃんと祥子、どっちを庇いたいのか微妙な所だったけど、祥子がロザリオを渡そうとした時確信したね」

 あの場で多くの者が祥子と祐巳に注目していた中、聖は志摩子のことも観察していたのだ。志摩子の微量ながらの変化に気付く事ができたのはおそらく聖ただ一人であろう。

「あの時、誰もが祐巳ちゃんが祥子からの妹の誘いを受けると思ったあの状況……あの蓉子やクラスメイトの蔦子さんでさえ祐巳ちゃんの気持ちに気付く事ができなかったのよ。そんな中で祐巳ちゃんの気持ちを察する事ができたところを考えるとさ、志摩子の祐巳ちゃんへの思い入れが相当なものだということぐらい見当が付くわよ」
「お姉さまには敵いませんね」
「で、祐巳ちゃんのどこが気に入ったの?」

 白薔薇姉妹は他の薔薇姉妹と違い、良くも悪くも似過ぎているのだ。いや、同じタイプの人間と言っても過言ではないだろう。故に志摩子は聖に自身の想いを隠すつもりもないし、隠し通せるとも思っていない。

「一言で言い表すなら祐巳さんは私にとって太陽のような存在です」
「太陽?」
「ええ、祐巳さんと知り合った中等部の頃の話です」





          ◇ ◇ ◇





 ことの始まりは高等部に上がって直ぐの事でした。私は中等部の頃から人との付き合いに臆病で、クラスの仲間とコミュニケーションが取れずにいた。だが中・高等部共に周りはそれを私を偶像視し、誰一人として本当の私を見ようとはしてくれなかった。

「さすが志摩子さんね」
「私たちとは器が違いますわ」

 彼女達がよく私の事をそう言って持て囃してくるのが苦痛だった。

「私だって皆さんと同じ中学生、迷い悩むことは決して少なくないのですよ」

 でも私にはその一言が言えなかった。だから周りには私を誤解されたまま、しかも私には皆さんに秘密にしている隠し事がある。それだけに周りから色々と持て囃されても素直に受け取ることが出来なかった。

(本当はみんな言葉とは裏腹に私を責めているのでは?本当は私の存在が皆さんに不快な思いをさせているのでは?)

 いつもそうやって悪い方へ考えてしまい、段々他人を信用できなくなっていっている自分がいる。

「あの人達は一体何を考えているの?」

 自身でさえ周りに己を偽っているのだ。他の人達も同じように何かを偽っていると勘繰るのは当然の結論だと思ってた。


 祐巳さんに会うまでは……


 彼女は特別に優秀だと言う事はまず無い。家柄もリリアンの生徒として見れば平凡な一般家庭だし、頭脳・体力も平均かそれ以下なのだ。だが志摩子は何故か彼女に心惹かれるものがあった。

「どうして彼女の事がこうも気にかかるのでしょうか?」

 人が羨むような物など何一つ無い、だが確かに私は裕巳さんに惹かれている。今まで他人に関心を持てなかったこの私が、である。

「志摩子さん、何をご覧になっているんですの?」
「あ、あちらの方がやけに賑やかだから気になって」
「あれは裕巳さんね、もうすぐで高等部に上がるというのに落ち着きが無いですね」

 多分多くの者が彼女と同じ評価をするでしょう。でも殆どの方が裕巳さんのことをそこまで悪くは思っていないはずです。例え祐巳さんがミスを犯し、その後始末を被る事になったとしてもどこか憎みきれない、そんな魅力が彼女にはあるのだから。

「やっぱり私は祐巳さんのことが好きなんですね」

 その後高等部に上がるまでの間、祐巳さんとお話しができたのは数えるぐらいしかありませんでした。いくら祐巳さんが好きでも私には一歩踏み出す勇気が持てなかったからです。でも高等部で同じクラスになれたことを知った時、

「志摩子さん、私たち同じクラスだよ♪」

 別に特別親しかったわけでもないのに、長年連れ添ってきた友人や恋人と同じクラスになれたみたいな喜びよう……大袈裟と言えばそこまでですけど、祐巳さんは嬉しい事や楽しい事、そして悲しい事さえも包み隠さず表現してくれる。だから安心できる、この人は裏表が無いのだと。

「裏も表も無いと言うより考えている事が丸出しよね。まぁそこが祐巳さんの魅力だし、だからこそ見ていて飽きないのよね」

 祐巳さんと同様に同じクラスになった蔦子さんはこう語ってくれました。

「普通私たちぐらいの歳になったら人の言っている事や行動の全てをそのまま受け入れる事で出来ないわ。そりゃあ内容にもよるけどやっぱり少なからず事の本質を見極める為にも疑ったりするでしょ?でも祐巳さんにはそれが殆ど無い」
「祐巳さんは純真無垢だと仰るのですか?」
「純真無垢とはちょっと違うかな。純真無垢は穢れや偽りの無い清らかな存在って意味合いでしょ。でも祐巳さんも私たちと同じ人間よ、穢れや偽りなんて人並みに持ち合わしている。祐巳さんはただ単に人一倍ポジティブなだけなのよ」

 人の汚い所を知らないわけではない、目を背けようとしているわけでもない、ありのままを受け入れても尚前向きになれるのだと。

「ただ祐巳さん自身はそれを意識しているわけじゃないのよね。だから余計に魅力を感じてしまうのよね」

 そう言って彼女のカメラは祐巳さんに向けられる。おそらく彼女もまた祐巳さんに惹かれる者の一人なのだろう。

「今の所祐巳さんは帰宅部のつもりだけど、もし祐巳さんが部活を始めたらきっと後輩に慕われるような良い先輩になると思うな」

 それについては私も同感である。私のような着飾った偽りの外面では無く、飾りの無いありのままの祐巳さんという一人の人間として慕われるだろう。そんな祐巳さんの姿が私には誰よりも美しく見えた。私には無い本当の輝きと言うものがある祐巳さんのことが……

「志摩子さん、蔦子さん、お昼一緒に食べない?」
「じゃあご一緒しようかな、志摩子さんも付き合うでしょ?」
「ええ、喜んで」





          ◇ ◇ ◇





「志摩子と祐巳ちゃんにそんな過去があったとわね」
「祐巳さんは私にとって羨望の的でもあり、こういう人になりたいと言う目標でもあるのです」
「志摩子にとって祐巳ちゃんは志摩子の道を照らしてくれる太陽のような存在って事か」

 思うところがあるのか、聖は志摩子の話に共感の意を示す。だがそれは聖にとって苦く辛い過去を思い出す事となった。

「だったらさ、お姉さまから一言言わせて貰うよ」

(志摩子には私と同じ過ちは犯して欲しくないからね)

 だからこそ自身と同じ過ちはして欲しくない……かつて蓉子や聖のお姉さまのようにうまく慰めてあげる自信が無いし、傷付かないで済むならそれに越した事は無いのだから。

「志摩子が祐巳ちゃんの事をどう思おうと構わない。でも志摩子は私の妹、白薔薇の蕾である事を忘れないで」
「お姉さま?」
「志摩子が次期白薔薇さまになるかどうかはともかく、今は白薔薇のつぼみとしてみんなに頼りにされているんだ。だから山百合会の仕事を疎かにされたら困るってこと」

 卑怯な言い方だとは思う。志摩子を妹にした時聖は志摩子に束縛しないと約束していたのに、この発言はその約束を違えているのも同然だから。だが無理やりでも山百合会の仕事をしていれば少なくとも二人だけの、まるで砂上の楼閣のような脆く崩れやすい世界にのめり込む事は無くなるからだ。

「ただし白薔薇のつぼみの肩書きは志摩子にとって負担だけを与える物じゃないよ。志摩子の周りには祐巳ちゃん以外にも山百合会のみんながいる。だから困った事、悩みがある時は遠慮なくみんなを頼るといい。きっとみんな力になってくれるから」

 それが出来ればかつての聖のような失敗はしないだろう。姉妹の儀を結んだとは言え、志摩子と過ごせる時間は決して長くは無い。そんな状況で姉としてしてやれる事はしてあげたいと思う。せめて来年の春から聖がいなくなってもやっていけるように……

「まぁ志摩子が薔薇の館から遠ざかろうとしない限り、向こうから寄って来るとは思うけどね。特に蓉子なんか呼んでも無いのに首を突っ込んできそうだけどね」
「お姉さまったら……、それに先ほどみなさんが相談に乗ってくれると仰りましたが、お姉さまには相談してはいけないのですか?」
「勘弁してよ、そんな面倒な事は蓉子が得意なんだからさ」

 聖の心配は杞憂なのかもしれない。少なくとも今の志摩子にはこうやって軽口を言い合えるぐらい成長したのだから。

「それより私は祐巳ちゃんのことあまり知らないんだけど何か思い出の一つや二つ話してくれない?中々面白そうな子だったから興味はあるんだよね」
「そうですね、でしたらこんな話しはどうでしょう」

 記憶を手繰り寄せながら志摩子は今までとは違う祐巳と過ごす日々に胸を躍らすのだった……











 あとがき







 さてこれが自分のマリみて初のSSです。とは言え完成したのは後から執筆を始めた『祥子の孫』の方が完成したのでこちらが二作目のようにUPする事になりました(/o\)
 で、今回のSSの執筆のきっかけは第1話(アニメ版又は小説版では第1巻)で今まで志摩子と祐巳はあまり親しくなかった・だが二人は同じ学年、同じクラス、共にリリアン女学園中等部出身・なのに祥子の姉妹宣言以降志摩子はやけに祐巳に友好的に接してくる……という観点から見た時、同じ一年の由乃は祐巳に対して特にこれと言ったアクションはしていないのに、志摩子が祐巳に関わるシーンが多いのはどうしてなのか?を発想と妄想(ヲイ)を込めて作った次第です。
 でもある程度書き終えた後、知人がこれを見て

「これってどっかの同人誌で似たような話しがあったよ」

 とご指摘を受けました。なのでその同人誌とネタが被る箇所はそのまま載せるのは控えました。やはりこういう事を好ましく思う人もいるでしょうし、一応『私の太陽』はこの時点で完結と言う事にします。ですがもしそういった事抜きにその部分に興味をお持ちの方はこの後にオマケという形で用意しているのでそちらをご覧になって下さい。



 オマケ




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